経年変化はなぜ起こる?
長く使えるアコヤ真珠を選ぶために知るべき「経年変化」について。経年変化が起こる原因とその状態・見極め方についてご紹介いたします。

はじめに
アコヤ真珠の約85%は経年変化に弱い品質
当社の見解では世に流通するアコヤ真珠のおよそ85パーセントは経年変化に弱い品質であると判断しております。アコヤ真珠の経年変化で見られる現象としては、表面色が黄色、茶色、オレンジのようなお色目に変化し、光沢感が鈍くなる現象です。 経年変化に弱いアコヤ真珠の多くは平均的に5年から10年程度で上記のような現象が見られ、早い珠だと1・2年で違和感を感じるような変化が見られ始めます。多くの方が手入れ不足で色が変わってしまったと後悔している方が多くいらっしゃいますが、真珠は海で生産されているため汗による影響ではなく、経年変化に弱いアコヤ真珠を購入したことが原因です。 一度、経年変化したアコヤ真珠は元の状態に戻すことはできません。 そのため当社では失敗しないための基礎知識として経年変化に弱いアコヤ真珠の2つの原因についてしっかりと解説します。
1. 漂白過多
どのような状態のアコヤ真珠?
漂白処理が過度なことが原因で真珠層に損傷があるアコヤ真珠
漂白とは?
漂白とは、およそ85パーセント程度のアコヤ真珠の真珠層内部に見られる有機物の除去を目的に、主に過酸化水素を用い除去することや、アコヤ真珠の黄色色素の除去を行う加工処理です。有機物が元々ないアコヤ真珠は極めて軽度な処理のみで真珠層に損傷は見受けられませんが、有機物が多いアコヤ真珠は、過酸化水素に浸す期間が長くなることなどで有機物が除去される反面、真珠層に著しい損傷が見受けられます。この真珠層の損傷が経年変化を早める原因の一つです。
なぜ漂白を過度に行う必要があるのか?
およそ85パーセントのアコヤ真珠は、真珠層内部に有機物を多く含んだ状態で産出されます。そこで選択肢は2択、そのまま有機物を含んだ状態で販売を行うか、それとも有機物を取り除き、見た目が美しい状態で販売を行うかです。 多くの加工大卸業者では、この2択の中でも、有機物が多い真珠に対しては漂白過多を選択し、見た目の美しさを優先します。有機物が多い状態のアコヤ真珠は斑らにブルーやブラックの色が見え、消費者様目線においても美しく見えないためです。
漂白過多はどのように見極める?
漂白過多のアコヤ真珠には真珠層に損傷が見受けられます。しかし、一般消費者様や真珠を販売する多くの会社様でも損傷具合を正確に見極めることは難しいです。真珠層の損傷状態 を判断するためには、漂白処理に対しての経験値や深い知識が必要となります。そのため、当社以外では、真珠販売を行う上で経年変化についての明記がない場合がほとんどです。
2. 調色過多
どのような状態のアコヤ真珠?
調色処理が過度なことが原因で、真珠表面上に染料がみられるもの、または穴口部分に染料が見られるアコヤ真珠
調色とは?
調色とは処理の度合いにより目的が異なりますが、本来の目的としては、主に赤色系色素を添加して、漂白・ホワイトニングによって失われた微少の色素を元に戻す加工処理です。 過度な場合には赤色系色素により真珠層が染められ色調に大きな変化が見られます。そのため過度な調色は耐久性よりも見た目の向上を目的に行われています。
なぜ調色を過度に行う必要があるのか?
調色処理を過度に行なっているアコヤ真珠の目的は欠点を補うために、赤色系色素によって美しさの向上を図るためです。 例えば、漂白によって真珠層の損傷が多く、尚且つテリ評価も低く、キズ評価も低い場合など、染色に近い調色を行うことによって、鮮やか色となり、調色が軽度なものに比べて、はるかに美しさが高まります。欠点の条件は様々ですが、何かしらの欠点を調色による美しさで補うことが目的となっております。 逆に欠点のないアコヤ真珠になればなるほど、調色処理は軽度なまま、元々の質の良さを生かした加工処理となります。
調色過多はどのように見極める?
調色に使用される赤色系色素は、過度な処理を行なった場合、真珠表面上にピンク色が見受けられます。珠内部にピンクが見られる場合にはテリ【干渉色】となりますため、よく混合されてしまいがちですが、無加工処理の状態にて表面上がピンク色を持つアコヤ真珠は存在しません。そのため、珠内部ではなく真珠表面色にピンク色が見える場合には、調色過多とご判断頂けます。また、真珠の穴口周辺は大変染まりやすい部分です。 全ての調色過多のアコヤ真珠とはなりませんが、調色過多の多くのアコヤ真珠は、穴口部分にも濃いピンクがご覧いただける場合があります。ただ、調色処理に関しましても、加工大卸業者によっては赤色系色素以外の染料を使用する場合や、処理方法によって上記の判断方法以外の方法で見極める必要もございますため、消費者様のご判断にて正しく評価を行うことは出来かねますが、是非上記の例はご参考ください。